有価証券オプションQ&A

コールオプションを売っていて、権利行使割当てを受けた後に対象有価証券を買い、その有価証券を権利行使に係る決済に充てることはできますか?

2011/03/08 更新

印刷

Q.コールオプションを売っていて、権利行使割当てを受けた後に対象有価証券を買い、その有価証券を権利行使に係る決済に充てることはできますか?

A.

結論から述べますと、権利行使を受けた後に有価証券を買ったとしても、権利行使に係る有価証券の決済には間に合いません。

なぜできないのか、その点についてこれから詳しく見ていきましょう。

コールの売り方は、権利行使を受けた場合、権利行使日から起算して5日目の午前9時までに、対象有価証券を証券会社に交付しなくてはなりません。つまり、有価証券を持っていなかった場合には、権利行使日から起算して5日目の午前9時までに、何がなんでも有価証券を調達して、証券会社に引き渡さなければなりません。

さて、コールの買方である顧客が証券会社に権利行使を行うかどうかの申告は、権利行使日の午後4時までと定められています。その後すぐに権利行使の割当て抽選が行われます。そのため夕方頃には、権利行使の割当てを受けたかどうかの連絡を受けることになります。権利行使の割当てを受けた場合、コールの売り方は対象有価証券を売る義務を負うことになります。

とはいえ、コールの売り方は、権利行使の割当てを受けたといって、すぐに市場で有価証券を買うということはできません。権利行使の割当ての連絡を受けるのが夕方であるということは、既にその時間には市場の取引時間は終わっています。どんなに早くても、権利行使日の翌日にならないと、対象有価証券を買うことはできません。

さて、明けて権利行使日の翌日に、対象有価証券を買い付けに行きます。現物株式の決済は、売買締結日から起算して4日目の午後となっています。つまり、買い付けた有価証券を手に入れることが出来るのは、買い付け日から起算して4日目の午後になります。

ここまで掲げた時間の経過について、下の表で整理してみましょう。

挿絵

お気付きになりましたか? 有価証券の納入は権利行使日から起算して5日目の午前9時までですが、買った有価証券を受け取れるのは、同日の午後になってしまいます。つまり、権利行使日の翌日に有価証券の買い付けを行っても、有価証券の交付時限には間に合わないのです。

そのため、コールの売り方は、権利行使日の時点にはあらかじめ有価証券を持っておく必要があります。

ただし、権利行使日に有価証券を持っていなくても、信用取引を用いて決済をするという方法はあります。ここでは権利行使に係る有価証券の売りを、信用取引での売りとすることです。有価証券を借りて、有価証券オプションの決済を行うという形になります。権利行使に係る有価証券の売りを信用取引で行うためには、いくつかの条件が設けられています。

1. 信用取引口座をあらかじめ持っておくこと

2. 権利行使日の翌日までに、信用取引で権利行使を受けた有価証券を売ると証券会社に伝えること

3. その信用取引は、一般信用取引なのか制度信用取引なのかを伝えること

この上に掲げた3つのことを全て満たさなければ、権利行使の決済を信用取引の売りで行うことはできないため、注意する必要があります。
また、信用取引で有価証券を売るという形になりますので、委託保証金の預託が別途必要になります。

ページの先頭へ