2月8日の派生売買システムの障害により、投資家の方々をはじめ、多くの市場関係者の皆様に御迷惑をお掛けしましたことを改めて深くお詫び申し上げます。 今回の障害発生に関し、障害発生の原因、当取引所の対応状況、責任の所在、再発防止措置等についてとりまとめましたので御報告します。
平成20年2月8日(金)午前11時00分、派生売買システムにおいて、TOPIX先物取引20年3月限月の前場終値の約定処理が正常に行われないという障害が発生し、当該銘柄について後続の処理ができない状況が生じたことから、取引を終日停止いたしました。
その後、週末において原因を究明し、対応策を実施したことから、週明けの2月12日(火)から取引を再開いたしました。
本件については、金融庁長官から金融商品取引法第151条の規定に基づく報告の提出を命じられたところであり、本日、その報告書を提出いたしました。
派生売買システムの注文受付処理では、注文を受け付けた時点で当該注文を注文格納用のテーブルに登録した後、当該注文の値段及び注文数量に基づいて、値段毎の総注文数量を管理するテーブル(いわゆる「板」)を更新する処理を行っています。このテーブルの更新処理においては、メモリ上のワークエリアを利用して値段チェックを行い、合致した値段の総注文数量の更新を行います。
本件事象は特定の条件下において、メモリ上のワークエリア初期化処理が漏れていたため、ワークエリアに残存したデータの影響により前述の2つのテーブルに登録されているデータに不整合が発生したことから、設計どおり終値の約定処理が停止したものです。
なお、根本原因としては、開発ベンダーのプログラム作成時におけるワークエリア初期化処理の漏れであることを踏まえると、開発ベンダーにおいて、当該処理が正しく行われているかどうかをチェックする体制が十分に確保できていなかったことに加え、当取引所における監督体制にも改善の余地があったと考えております。
障害の発生後、当取引所及び開発ベンダーにおいて、直ちに原因の究明に入るとともに、約定処理を自動から手動に変更するなどのリトライ処理を行いましたが、終値の約定ができず立会終了となりませんでした。その後、発生した障害について即時に原因を究明し対応を行うことは困難であり、終値の約定を行わない状況を継続した場合には市場の混乱を拡大するとの判断から、午前11時24分にTOPIX先物取引20年3月限月について取引停止処理を行い、午前11時53分に取引の終日停止を決定いたしました。
この間、障害の発生、その後の経過、売買の停止及び開始等につき、取引参加者に対しては一斉ファックスと当取引所の所報により状況の周知を行ったほか、一般投資家に対しても、当取引所のホームページを通じて状況の説明を行いました。
当取引所としては、市場機能を安定的に提供する責務がある中で、本件障害に伴う指数先物取引の取引停止により、投資者の取引機会を縮減する事態を招いたことを深くお詫び申し上げます。
今回の障害の直接原因については開発ベンダーのプログラム作成時におけるワークエリア初期化処理の漏れでありますが、市場の管理・運営責任を負っている立場として、障害に対する強度の高いシステムの構築、システム障害が発生した場合の早期の回復手段の確保など、市場機能の確保を優先する観点からの体制構築を図る責務を果たせなかった点に関しまして、当取引所の責任は重大であると考えております。
本件に係る処分については以下のとおりであります。
当取引所といたしましては、このような障害を引き起こさないよう、以下の再発防止策につき早急に検討し、実行すべきものは着実に実施することにより、市場の公正性・信頼性をさらに高めるべく、不断の努力を行って参る所存であります。
| 項目及び概要 | 実施時期の目途 |
|---|---|
| 1. 業務確認テスト、高負荷テストなどの再実施 今回の障害事象を踏まえ、立会開始時及び立会終了時などの処理が変化する状況の前後における業務確認テストや、当該状況下に大量の注文を発注する高負荷テストなどを再実施します。 |
本年4月末まで |
| 2. プログラムロジックの机上検証 本障害の原因となった、ワークエリアの初期化処理について、注文受付処理などの主なプログラムについては点検を実施・終了しておりますが、全てのプログラムについて漏れがないか机上にて確認を実施します。 また、本障害が発生した注文受付処理や約定処理のプログラムについて、処理ロジックが正常か、処理ロジック漏れがないか、また各プログラム間のデータ連携について問題がないか確認を行います。 |
本年2月末まで 本年4月末まで |
| 項目及び概要 | 実施時期の目途 |
|---|---|
| 1. プロジェクト管理体制の見直し 今回の障害発生の根本原因として、システム製造工程の管理体制が十分でなかったことを踏まえ、これまで以上に開発ベンダー及び当取引所におけるプロジェクト管理の強化を図ります。 |
今後の開発プロジェクトにおいて速やかに実施 |
| 2. 障害発生時の対応の見直し 危機管理の強化を図る観点から、全社的に障害発生時の対応フローの見直しを行い、システム障害等発生における対応マニュアルの改訂などを実施します。 | 4月中に実施 |
| 3. 障害時訓練の実施 障害対応の更なる充実を図るため、机上訓練及び各システムにおける実機訓練に加え、売買システムを中心としたシステムを対象としてシステムの実機を利用した障害発生時の訓練を定期的に実施します。 |
5月中に初回実施後、定期的に実施 |
株式会社東京証券取引所 IT開発部 派生売買システム担当
電話: 03-3666-0141(代)