2010/03/16 更新
[東京証券取引所]
当取引所は、コスモ証券株式会社に対して、取引参加者規程第34条第1項第8号の規定に基づき処分(戒告)を行いましたので、お知らせいたします。
また、取引参加者規程第19条の規定に基づき、業務改善報告書((1)法令違反行為その他不適切な乗換え勧誘を行った顧客に対し、本件処分の内容を説明の上、適切な対応を行うこと、(2)本件にかかる経営陣及び営業担当者の責任の所在を明確化すること、(3)取締役会や監査役による経営監視及び相互牽制が適正に機能する経営管理態勢を構築すること、(4)適切な業務運営を確保する観点から、内部管理部門・内部監査部門の体制を整備し、その十全な機能発揮の確保に取り組むこと、(5)本件を踏まえ、投信販売に関する法令等遵守を徹底するため、関連する規程類及び業務手順を根本的に見直した上で、役職員への周知徹底に集中的に取り組むこと。併せて、日常の教育・研修を強化し、関連法令等の内容の周知徹底にも取り組むことを含む。)の提出を請求しました。
同社は、投資信託の主力商品として、平成20年11月以降、ブル型・ベア型の投資信託(以下「ブルベア投信」という。)の取扱いを開始し、同21年3月以降は、これに替わり、毎月分配型投資信託の4銘柄(以下「毎月分配型4投信」という。)の販売に注力していたが、同社において、当該主力商品に係る営業に関して、下記のとおり、コンプライアンスよりも収益(手数料等)を優先する考えのもと、法令違反その他の不適当な勧誘行為が業務組織を通して多数行われ、それが看過されているなどといった状況が認められた。
1. ブルベア投信について
(1)収益を優先した営業推進の状況
同社において営業を統括している取締役常務執行役員営業本部長(以下「営業本部長」という。)をはじめとする営業本部は、平成20年11月以降、営業本部長自ら各部店長に電話にて指示するなどし、営業員にブルベア投信に係る残高目標を課すとともに、日々、営業員ごとの残高やその推移、ブルベア投信に係る受入手数料を集計・把握するなどし、コンプライアンスよりも優先して収益(手数料等)目標を達成するよう強力に営業推進を行っていた。
(2)法令違反その他の不適当な乗換勧誘
(3)コンプライアンスに係る内部牽制等が機能していない状況
同社においては、平成21年4月及び5月に、業務監査部の営業考査課及び検査部がブルベア投信について調査及び特別検査を実施し、月例報告会等において、営業考査課レポート及び特別検査の結果の報告が行われ、ブルベア投信に関する注意喚起がなされるなどした。しかしながら、当該注意喚起等が営業員等に徹底されておらず、その後も上記(2)aの整合性のない勧誘は行われており、ブルベア投信に係る不適当な勧誘行為を是正するには不十分な状況となっており、また、下記2.の毎月分配型4投信に係る不適当な勧誘行為に対する抑止にもなっていない状況が認められた。
2. 毎月分配型4投信について
(1)収益を優先した営業推進の状況
同社において営業本部は、平成21年3月以降、毎月分配型4投信についても、上記1.(1)のブルベア投信に係る営業推進からの引き続きで、コンプライアンスよりも優先して収益(手数料等)目標を達成するよう営業推進をし、これにより収益優先の営業活動が各営業部店において現に行われていることを承知していながら、これを黙認している状況にあったものと認められる。
(2)法令違反その他の不適当な乗換勧誘
平成21年3月から同年8月までの間の取引につき128顧客を抽出して検証したところ、同社においては、上記(1)の営業本部主導による収益目標を達成するためとして、下記a及びbの不適当な勧誘行為が行われている事例が、18部店の営業員40名により56顧客に対して合計84件認められた。当該84件によって顧客が負担した手数料は、総額約24百万円となっている。
(3)社内管理態勢の不備
上記(2)の18部店すべての部店長は、同(2)bのような非勧誘を装った乗換勧誘が各営業部店で行われていた状況を承知していながら、収益優先の考えのもとに黙認していたとしており、このうち2支店においては、支店長及び副支店長自らが非勧誘を装った乗換勧誘を行っていた。
また、同社は、投信アラーム・アテンション制度を定め、顧客に対して過度な投資勧誘が行われていないかをモニタリングするとしているほか、乗換勧誘を行うことに経済合理性があるか等について業務監査部が日々モニタリングを実施することとしているが、いずれにおいても上記(2)の毎月分配型4投信に係る不適当な事例を全く把握できていなかった。
3. なお、同社においては、適切な業務運営を図る責任のある社長をはじめとする経営陣が上記のような法令違反その他の不適当な勧誘行為や内部管理態勢の不備につき、これを是正すべく指導・管理をしたというような事情は、今回検査において把握されていない。
上記のとおり、同社においては、経営陣の一人である営業本部長をはじめとする営業本部がコンプライアンスよりも収益(手数料等)を優先する考えのもとで強力な営業推進を行うなどした結果、投資信託の主力商品に係る営業において、不適当な勧誘行為が営業本部や営業部店等の業務組織を通して多数行われ、顧客に多額の手数料を負担させていた。また、同社においては、そのような不適当な勧誘行為につき、内部管理部門による十分な牽制機能等が果たされず、看過されており、さらに経営陣においてもこれらの不適切な業務運営の把握・管理等ができておらず、同社の経営管理態勢及び営業管理態勢には重大な不備があるものと認められる。
また、営業本部長は、とりわけ営業に係る適切な業務運営を図るべき立場にあるにもかかわらず、自らの指示等が不適当な勧誘行為につながる可能性があることを認識していながら、コンプライアンスよりも収益(手数料等)を優先する考えのもと強力な営業推進をするなどした結果、上記1.(2)及び2.(2)の不適当な勧誘行為を多数生じさせており、当該各勧誘行為は当該役員に係る行為と認められる。
同社及び同社役員に係る上記1.(2)b.及び2.(2)bの乗換勧誘の際に重要な事項を説明していない状況は、金融商品取引法第40条第2号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第123条第1項第9号の「投資信託受益証券等の乗換えを勧誘するに際し、顧客に対して、当該乗換えに関する重要な事項について説明を行っていない状況」に該当するものと認められる。
また、同社における上記の業務の運営の状況は、法令違反に該当しない不適当な勧誘行為並びに経営管理態勢及び営業管理態勢に係る重大な不備についても、行政処分によりその業務の改善を求める必要が高いものと認められ、金融商品取引法第51条の「業務の運営の状況に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。
株式会社東京証券取引所 企画マーケティング部 取引参加者室
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