2010/08/12 更新
市場において約定が成立してから決済が行われるまでの一連の流れは、大きく、売買、清算、決済の三段階に区分することができます。これらのうち、売買機能を担う主体を市場、清算機能を担う主体を清算機関、決済機能を担う主体を決済機関と呼びます。
日本には東証を含めて6つの有価証券の売買を行うための金融商品取引所市場がありますが、これらの6市場及び一部のPTS(私設取引システム)における有価証券の売買については、すべて株式会社日本証券クリアリング機構が清算業務を行っています。従来は、各証券取引所(当時)市場で行われた売買については、それぞれの市場で清算業務が行われていましたが、平成15年1月14日から、市場横断的な統一清算機関である日本証券クリアリング機構により一元的に清算業務が行われています。
また、東証における先物・オプション取引についても、平成16年2月2日から日本証券クリアリング機構により清算業務が行われています。
日本証券クリアリング機構により清算が行われた取引については、株式や転換社債型新株予約権付社債等は株式会社証券保管振替機構において、国債は日本銀行において、資金は日本銀行又は資金決済銀行(日本証券クリアリング機構が指定する市中銀行)において、それぞれ決済が行われます。

清算機関の主要な機能としては、債務引受け、ネッティング、決済指図、決済保証の4つがあげられます。
有価証券の売買が成立すると、売方には証券の引渡債務と代金の受領債権が、買方には代金の支払債務と証券の受領債権が発生します。清算機関は、売方・買方の双方から、相手方との間に発生した債務を引き受けるとともに、それに対応する債権を取得することにより、売方と買方との間に入って売買成立により発生した債権・債務の当事者となります。
清算機関が債務引受けを行うことにより、決済の相手方が原始取引相手方から清算機関に置き換わるため、各清算参加者は取引相手方の信用リスクを意識せずに取引を行うことが可能となります。
また、決済の相手方が清算機関に一元化されることにより、清算参加者における決済事務の効率化が図られます。
清算機関で清算された取引の決済は、個々の売付けや買付けごとに個別に行われるのではなく、証券については銘柄ごとに、代金については銘柄横断的に、それぞれ決済日を同一とする売付数量と買付数量を相互に相殺し、その差額を受け渡すことにより行われます。
清算機関は、市場で成立した約定データに基づいてネッティング計算を行い、清算参加者ごとの決済数量を確定させたうえで、各清算参加者に決済数量を通知するとともに、決済機関に決済指図を行います(決済方式によっては、清算機関からの通知に基づいて清算参加者が決済指図を行うこともあります。)。
証券保管振替機構を利用した株式等の決済については、株式等の決済と資金の決済をリンクさせることにより、元本リスクを排除したDVP決済が行われています。
市場で成立した有価証券の売買については、清算機関が債務引受けを行い債権・債務の当事者となるため、清算参加者が決済不履行を生じさせた場合でも、清算機関は他の清算参加者との決済を履行する義務があります。清算機関が決済の履行を保証することにより、市場参加者は安心して市場で取引を行うことができるのです。
日本証券クリアリング機構においては、清算参加者の決済不履行により損失が生じた場合は、当該決済不履行参加者が預託した清算基金等により損失を補填し、万が一不足する場合に他の清算参加者に負担を求めるという、自己責任原則を基本にしつつ相互保証というラストリゾートをも備えた決済保証制度を整備しています。
株式会社証券保管振替機構は「社債、株式等の振替に関する法律」に基づく振替機関として、株式、転換社債型新株予約権付社債(CB)、投資信託の受益権(ETF)、不動産投信の投資口(REIT)などを対象とした振替制度を運営しています。
東証における株式等の普通取引に係る有価証券の受渡しは、約定日から起算して4営業日目に、証券保管振替機構における証券会社等の口座と日本証券クリアリング機構の口座との間の振替により行われます。顧客と証券会社との間の受渡しは、証券会社等に顧客の口座を開設し、その口座との間の振替により行われます。