2011/11/19 更新
取引所の市場で売買を行うことを、売買立会(ばいばいたちあい)といい、現在、株券の売買は売買システムにより行われています。
売買システムでは、売買注文の受注、注文の付合せ、約定の照合等の、売買に関する業務のすべてをコンピュータによってシステム処理しています。現在の売買システム「arrowhead」は平成22年1月4日(月)に稼働しました。
東証に上場している株式は、市場第一部、市場第二部及びマザーズの合計で2,000社以上ありますが、これらの会社が発行する全ての株式がこの「arrowhead」によって行われています。
「arrowhead」に関する詳細はこちらをご覧ください。
従来、株券の売買は全て株券売買立会場において人手により行われてきました。しかしながら、昭和57年1月に市場第二部銘柄の一部を対象にコンピュータによる売買システムが稼働して以来、さまざまなシステムの導入、改良を経ることによって、株券売買立会場銘柄における一部の注文発注を除き、売買注文の発注、注文の受注、注文の付合せ及び約定通知等全ての処理が機械により行われるようになっていきました。
このような状況下、売買の一層の効率化、迅速化を図るという観点から、株券売買立会場における売買については、平成11年4月30日をもって完全に廃止されています。
売買立会は、休業日(日曜日、国民の祝日、前日及び翌日が国民の祝日である日、土曜日、年始3日間及び12月 31日)を除いて、一定の時間に行われます。その時間を売買立会時(ばいばいたちあいじ)といいます。
売買立会は、午前立会(通称、前場(ぜんば))と午後立会(通称、後場(ごば))に分けられ、その売買立会時は、午前立会は午前9時から午前11時30分まで、午後立会は午後0時30分から午後3時までとなっています。
内国株券の売買の種類には、普通取引、当日決済取引、発行日決済取引の3種類があります。このうち普通取引が基本的な売買の形態で、売買高の99%以上を占めています。
普通取引は、基本的な売買の形態で、売買契約締結の日から起算して4日目(休業日を除きます。以下日数計算について同じです。)の日に決済を行う売買です。
当日決済取引は、売買契約締結の日に決済を行う売買であり、クロス取引のみがその対象となります。この取引は、株券又は現金を至急に必要とするときに利用されるものです。
発行日決済取引は、上場会社が有償株主割当増資によって新株式を発行する場合に、その新株式を発行前の段階で売買することを可能にする方法として設けられたものです。
発行日決済取引の期間は、権利落ち日から保管振替機構における新株の新規記録日の3営業日前の日まで取引され、決済は約定日に関わらず売買最終日から起算して4日目の日に行われます。
発行日決済取引については、取引期間中に、一旦売却したものを買い戻したり、逆に、買い付けたものを転売して、その差金を授受することによって決済することができます。したがって、決済の履行の確保と過当投機の抑制を図るため、顧客が発行日決済取引を行う場合には、所定の委託保証金(通常、約定価額の30%)を取引参加者に預託しなければならないことになっています。
また、顧客が発行日決済取引を行う場合には、「発行日決済取引の委託についての約諾書」を取引参加者に差し入れる必要があります。
発行日決済取引の委託についての約諾書のダウンロードはこちらをご覧ください。
発行日決済取引に関する詳細はこちらをご覧ください。
売買は、原則として、各上場会社が独自に定めた一定数量(1単元といいます。)の整数倍の数量を単位として行われます。
平成13年10月の商法改正で、会社が定款で一定数の株式を1単元の株式とする旨を定めることができる「単元株制度」が導入されました。したがって、現在では東証での売買の単位は、原則として会社が独自に定めることが可能となっていますが、市場関係者の方々にとって使い勝手のよい市場にすることを目的として、売買単位を最終的に100株に集約することを課題に掲げています。
なお、単元株制度を採用する会社においては、1単元の株式の数に相当する株式につき1議決権が付与されます。1 単元の株式の数を減少し、またはその数の定めを廃止する場合においては、取締役会の決議をもって定款の変更をすることができます。
取引所では、個人投資者層の拡大を図るため、投資単元(株価×1単元)の引下げが必要であるとの見地から、その方法の一つとして、投資単元が著しく高い上場会社に対し、"1単元の株式の数"のくくり直し(売買単位の引下げ)を要請しています。
取引所の市場における売買は、競争売買の方法によって行われています。
競争売買とは、価格優先の原則と時間優先の原則にしたがって、売呼値間の競争と買呼値間の競争を行い、最も優先する売呼値と最も優先する買呼値が値段的に合致したときに、その値段を約定値段として売買契約を締結させる方法です。この方法は、市場に集中する大量の売買注文を短時間のうちに処理するための、最も合理的な方法といわれています。
価格優先の原則とは、売呼値については、値段の低い呼値が値段の高い呼値に優先し、買呼値については、逆に、値段の高い呼値が値段の低い呼値に優先するという原則です。したがって、例えば、100円、101円、102円、103円の売呼値があった場合には、100 円の売呼値が優先し、同じ値段に買呼値があった場合には、103円の買呼値が優先することになります。
また、呼値には、値段を指定した呼値と、いくらでもよいから売りたい又は買いたいという成行呼値とがありますが、この場合は、成行呼値が値段を指定した呼値に優先することになります。
時間優先の原則とは、同じ値段の呼値については、呼値が行われた時間の先後によって、先に行われた呼値が後に行われた呼値に優先するという原則です。例えば、100円の買呼値に、A取引参加者10万株、B取引参加者1万株があって、A取引参加者の呼値が先に行われたとしますと、A取引参加者の呼値10万株が全部執行された後に、B取引参加者の呼値が執行されることになります。
時間優先の原則の例外として、午前立会と午後立会の取引開始("寄付(よりつき)"といいます。)や売買中断後の最初の約定値段を決める約定については、すべての注文が同時に発注されたものとみなします。(後場始値決定前や売買中断後の最初の約定値段決定前等には、前場中やザラ場中に発注された注文も含めて、それまでに発注された注文はすべて同時注文として取扱います。) この場合の約定の方法については、「(b)イ 板寄せ方式」をご覧ください。
東京証券取引所の売買は個別競争売買によって行われています。
個別競争売買は、競争売買の基本的形態で、売呼値の競争と買呼値の競争を個別的に行い、最も優先する売呼値と最も優先する買呼値とが値段的に合致するときに、その値段を約定値段として売買契約を締結させる方法です。
個別競争売買には、"板寄せ方式"と呼ばれる方法と"ザラバ方式"と呼ばれる方法とがあります。板寄せ方式は、寄付や取引終了("引け"又は"大引け(おおびけ)"といいます。) などの場合に行われる売買契約締結の方法で、ザラバ方式は、寄付と引けの間("ザラバ"といいます。) に行われる売買契約締結の方法です。
板寄せ方式は、1)売買立会の始めの約定値段、2)売買が中断された場合の中断後最初の約定値段、3)取引所が定める場合の売買立会終了時における約定値段等を決定する場合に行われる売買契約締結の方法です。この方式では、約定値段決定前の呼値のすべてを売買システムの注文控(板)に記載したうえで付合わせすることから、板寄せ方式と呼んでいます。
始値を決定する場合の売買システムの「板」の状態をみますと、第1図のように、売呼値と買呼値が交錯し、買呼値より低い値段の売呼値や、売呼値より高い値段の買呼値があり、また、成行の売呼値や成行の買呼値がある事例が多くみられます。板寄せ方式は、このような状態のなかで、売呼値と買呼値を優先順位の高いものから順次対当させながら、数量的に合致する値段を求め、その値段を単一の約定値段(始値)として、売買契約を締結させる方法です。なお、始値が決定されるまでの呼値については、すべて同時に行われたものとみなされ、時間優先の原則は適用されません。また、後場始値決定前や売買中断後の最初の約定値段決定前等には、前場中やザラ場中に発注された注文も含めて、それまでに発注された注文は、すべて同時注文として取扱います。
では、第1図によって、始値決定までの過程を説明しましょう。

(注)
ザラバ方式は、始値が決定された後に、売買立会時間中継続して個別に行われる売買契約の締結方法です。ザラバとは、始値と終値との間に行われる継続売買のことをいいます。
では、第2図によって、ザラバ方式の実際について説明しましょう。

(注)
例えば、売買システムの「板」の状態が第2図のような場合に、Mが500円で200株買いたいという呼値をしますと、Aの500円の売呼値300株のうち200株と対当させて売買契約が締結されます。
次いで、Nが1,000株の成行の買呼値をしますと、まず、Aの500円の売呼値の残り100株及びBの500円の売呼値300株と対当させて売買契約が締結され、次に、Cの501円の売呼値 400株及びDの501円の売呼値 200株を対当させて売買契約が締結されます。
その後、Kが499円で500株の売呼値をしますと、499円の買呼値をしているFの 300株及びGの200株を対当させて売買契約が締結されます。
この結果、次のような売買契約が締結されたことになります。

このように、売買立会時間中、間断なく呼値が行われ、値段が合致しますと、つぎつぎに売買契約が締結されてゆくことになるわけです。
ストップ配分は、株価が制限値段まで上昇・下落し、需給が大きく偏った際の終値を決定する売買に使われる配分方法です。
通常、終値が成立するときには成行注文がすべて約定することが必要となりますので、成行注文が大量に発注されている場合には、終値を成立させることができません。
そこで、終値がストップ値段で成立するような場合には、通常の板寄せ方式による約定ルールをそのまま適用することはせず、以下の条件を満たしていれば、売買を成立させることとしています。
ストップ値段に係る制限値幅は、こちらをご覧ください。
1売買単位でも配分することができればストップ配分は成立しますので、結果、配分されない証券会社が出ることもあります。
なお、ストップ配分の際は、板寄せ方式に準じた順位で各取引参加者単位に売買が成立します。各取引参加者は東証から配分された結果をもとに、それぞれの社内ルールにしたがって、注文を出されたお客様への配分を決めることとなります。
株価が、例えば1,000円の時に、その直後に1,100円、その後すぐに950円というように、次から次に大きく変動し、乱高下してしまうと、成行注文を出した場合には思わぬ値段で売買が成立してしまう可能性がありますし、注文を出すタイミングも難しくなってしまいます。
そこで東証では、価格を決定する場合、直前の価格と比較して一定の値幅の範囲内のときに限り、即時に次の売買を成立させることとしています。
その値幅を「気配の更新値幅」といい、直前の価格等を基準として定められています。
気配の更新値幅は、こちらをご覧ください。
例えば、直前の約定値段が1,000円のときには、気配の更新値幅は上下30円となっていますので、次の約定値段が970円から1,030円の範囲内であれば即時に売買が成立します。つまり、1,000円→1,028円、1,000円→971円というように30円幅内であれば、価格が一度に動くわけです。
それでは、直前の価格から、上の表の値幅を超えた水準で次の売買が成立するような場合 (例えば直前の約定値段が1,000円のときに次の約定値段が1,050円となるような場合)はどうするのでしょうか。
このように次の価格が離れている場合には、売買を成立させないまま放置するのではなく、「特別気配」というものを表示することとしています。
この特別気配は、立会時間中であれば始値決定前でもザラバ中でも表示され、直前の価格よりも高い値段で売買が成立する状態の場合は「買」特別気配を、安い値段で成立する状態の場合は「売」特別気配を表示します。
立会時間中、情報端末等で個別銘柄の価格を見てみると、気配欄などに「特○○○円」と表示されている場合があると思いますが、売側に表示されていれば売特別気配、買側に表示されていれば買特別気配ということになります。
例えば、直前の約定値段が1,000円のときで、その次の約定値段が1,050円 (+50円)となってしまうような場合には、気配の更新値幅が30円ですから、1,030円に買特別気配を表示して、「1,030円よりも高いところに買い注文がありますが、売り注文はありませんか」と呼び込みます。このように特別気配を表示することで、一瞬のうちに価格が大きく動くことがないため、投資者の方は注文発注のタイミングをはかることができますし、買特別気配を表示したことで売り注文が出てきた場合には、買い注文を出した投資者は直前の値段に近い値段、すなわち割安な値段で買付けを行うことができるわけです。
なお、特別気配を表示しても、反対の注文が入ってこないで、その特別気配値段で売買が成立しない場合には3分間隔で特別気配を更新して、徐々に売買が成立する値段に近づけていきます。この値幅は、気配の更新値幅と同じです。
売買システムの約定処理の高速化に伴い、大口注文が発注されたことにより気配の更新値幅の範囲内で連続的な買い上がり(または売り下がり)がなされる場合には、特別気配が表示されずに連続的に売買が成立し、瞬時に価格の急変動が発生することが予測されます。
そこで、1注文によって直前約定値段から気配の更新値幅の2倍を超過する水準で連続的に売買が成立する場合には、直前約定値段から気配の更新値幅の2倍の値段まで売買を成立させた後、「直前約定値段±気配の更新値幅×2」の値段に、連続約定気配を1分間表示して、瞬時の価格の急変動を周知し、価格変動を相殺する反対注文を喚起することとしています。
なお、連続約定気配表示中は、板寄せ方式で売買を行うこととし、連続約定気配が表示された時点から1分を経過後、連続約定気配値段を基準として気配の更新値幅の範囲内に対当する値段が存在する場合には、即時に売買が成立しますが、範囲外で対当している場合などは、連続約定気配を特別気配に切り替え、「連続約定気配値段±気配の更新値幅」の値段に特別気配を表示します。
以下のリンク先ページをご覧ください。
取引所では、売買監理の一環として、価格の変動や売買状況に異常が認められる場合又はそのおそれがあると認められる場合には、一般投資者等に不測の損害を与えることのないよう、売買又はその受託について必要な規制措置を講じています。例えば、多数の銘柄の株価が連日急騰を続け、売買高も通常の水準を大幅に上回る活況を呈しますと、一般の投資者は、ややもすれば冷静な投資判断によらないで株式投資を行うようになり、その結果、不測の損失をこうむるおそれもあります。このように市況全般が過熱化しそうな場合には、全銘柄について、呼値の制限値幅の縮小や信用取引の規制 (委託保証金の引上げ、委託保証金の一部の現金徴収、委託保証金代用有価証券の代用掛目の引下げ、信用取引の制限又は禁止など)などの規制措置が行われます。
また、全般的な市況に関係なく、一部の銘柄の株価や売買状況に異常が認められる場合又はそのおそれがある場合には、当該銘柄の注文状況や売買状況に照らして、売買の一時停止、呼値の制限値幅の縮小、成行呼値の禁止、取引参加者の自己計算による買付けの禁止、売付株券又は買付代金の決済日前の預託、信用取引の委託保証金の引上げ、委託保証金の一部現金徴収などの規制措置が行われます。
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