売買審査~不公正取引の監視~

ボーダレス化への対応

2002/07/22 更新

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5. ボーダレス化への対応

外国関係機関との協定の締結

証券取引のグローバル化の進展に伴い、海外の証券取引所等において、東証上場株式の取引や、TOPIX、日経平均株価指数その他の東証上場株式を、主要構成銘柄とする株価指数に係る先物取引・オプション取引が、多数行われるようになりました。
こうした取引については、東証市場と海外の市場との両市場にまたがった相場操縦取引等の不公正取引が行われる可能性があり、私どものマーケットの公正性・健全性を確保する観点からは、こうした不公正取引の発生を、極力回避する手段を講じる必要があります。

国際的な市場間監視グループへの加入

インターネットの浸透、証券取引所間の提携促進等を背景に、証券取引のボーダレス化は、今後さらに広まって行くものと考えられます。
そうした急速に状況が変化する中では、先に述べたように、当事者間で相互に協定を締結することだけでは、迅速な対応が困難な場合が考えられます。
そこで、私どもは、平成12年6月22日、自主規制機関による国際的な市場間監視グループであるIntermarket Surveillance Group(ISG)に加入いたしました。

ISGは、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、オーストラリア等における主要な自主規制機関27機関が参加し、メンバー間で、市場監視情報を交換することを通じて、市場間をまたがって行われる不公正取引の発見や防止を促進することを目的としたグループで、1983年にアメリカの9つの自主規制機関により設立されたものです。
ISGに参加するためには、不公正取引に関する法令等が整備されていることに加え、市場における監視体制が十分に機能していることなど、一定の条件が必要であり、私どもは、アジア地域において最初の参加機関となります。
ISGでは、また、複数の市場が関与する相場操縦取引、インサイダー取引、フロントランニング等の規制に関する情報を交換するだけではなく、年3回総会を開催し、各市場における売買審査に係るホットトピックや、問題点等の意見交換を行っています。インターネットに代表される通信技術の進歩や、海外証券市場への東証の共通商品や関連商品の相互上場の促進等により、国境をまたがった形態で行われる取引が、今後さらに増加していくことが予想されます。
私どもといたしましては、ISGを通じ、その実態を正確かつ速やかに、十分な情報を得て把握することなどにより、東証市場の公正性確保に努めていきたいと考えています。

海外委託者に関する調査体制の整備

証券取引のボーダレス化については、海外の自主規制機関と連携することもさることながら、私どもでできる範囲のことで、可能なかぎり海外の委託者等の状況を把握することも重要です。
また、平成11年2月10日の東証証券政策委員会答申「東証の将来像について」の中でも、「市場利用者が国外にも広く存在する現状において、法令や自主規制の実効性を担保するためには、ニューヨーク証券取引所の事例などを参考に、必要に応じて国外の原始委託者を把握できるような仕組みを設けることなども検討すべきである」との提言もなされています。

こうしたことを踏まえ、海外委託者の売買等についても、取引参加者の協力のもとに、可能な限りその内容を把握できるよう、平成11年6月15日、私どもは「正会員等の子会社・親会社である外国証券業者からの有価証券の売買等の受託に係る報告等に関する理事会決定」(現「有価証券の売買等の審査に関する規則」第5条)を制定し、同年7月1日から施行することとしました。

なお、海外委託者調査体制の整備に当たっては、行政当局等において適切な対応がなされることが肝要であることから、この理事会決定の制定に併せ、行政当局における不公正取引の調査に係る国際的協力体制の構築等を推進するよう、関係方面へ働き掛けも行っています。

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